起立性調節障害と体育

起立性調節障害の子供にとって体育の授業は過酷でしょう。何しろ少しでも運動すると動悸や息切れがして具合いが悪くなるからです。また体育の授業には必ずある「気をつけ! 前ならえ! 休め!」などの号令と共に行う集団行動も、起立性調節障害の子供にとっては辛いはずです。何故なら長時間立ったままだと、立ちくらみを起こすからです。ここでは起立性調節障害の学生と体育の授業について考えていきたいと思います。

スパルタが多い体育教師

起立性調節障害の学生にとって体育の先生は怖い存在かもしれません。女子生徒の場合は、中学、高校の時は女性の先生が付く事が多いので助かりますが、男子の場合は必ず男性の先生が付きます。そして彼等は、体育会系の血気盛んな性格ですので、生徒への接し方もスパルタ式の事も多いです。だから起立性調節障害の子供が、たらたら走ってると「何してる! 気合いを入れろ!!」と怒鳴ってくる事もあるでしょう。しかし本人は怠けている訳ではありません。本当に具合いが悪いから仕方がないのです。だから起立性調節障害の子供は、そこを体育の先生に理解してもらう必要があります。

大人と一緒に体育教師に言う事

しかし起立性調節障害の生徒だけで体育の先生に、病気である事を告げても、ひょっとしたら「そんなの気合いで何とかなるだろ!」と言われてしまうかもしれません。だから必ず、保健室の先生や親、担任の先生など、周囲の大人を通じて体育の先生に起立性調節障害である事を伝えるようにしましょう。そして体育の授業の時は、無理させないよう特別な配慮をしてもらうようにお願いするのです。

起立性調節障害 体育

体育の授業の参加方法

起立性調節障害の生徒が体育の授業に参加する方法は、その症状がどれ位、重いかによっても違って来ます。

重症の場合
起立性調節障害が重症の場合は、体育の授業に参加せずにただ見学するだけにします。その場合も、日光に当たらないように日陰で座って下さい。なぜなら起立性調節障害の人は、暑いと更に症状が悪化するからです。また立ってると具合いが悪くなるので、必ず座らせます。特に午前中は具合いが悪いので、体育の授業が午前中にあり、見学も無理ならば、保健室で待機するようにします。又は、午後からの登校という事もあるでしょう。

中等症の場合
起立性調節障害が中等症の場合は、激しい運動は避けるようにしましょう。それ以外の運動ならば、様子を見ながら体育の授業に参加させます。なお午前中は具合いが悪い事が多いので、無理なら見学にしましょう。

軽症の場合
起立性調節障害が軽症の場合も、午前中は調子悪い事があるので、50m競争などの激しい運動は避けて下さい。それ以外ならば大丈夫でしょう。ただし水泳の授業は注意して下さい。もし溺れたらたいへんですからね。決して無理しないで下さい。